東京国立博物館の特別展へ行ってきました。

「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」という特別展が東京国立博物館で行われています。ブログ作者は昨年に「運慶」という特別展で国立博物館へ訪れていました。今回はそれから約3ヶ月振りになります。

ブログ作者は昭和48年に同じ国立博物館で行われた「仁和寺名宝展」へも出掛けていました。そのときは今回の特別展でも出展されている阿弥陀如来及び両脇侍像などを観ています。

「仁和寺と御室派のみほとけ」では仁和寺以外の御室派寺院の仏像が多く出展されていて、ブログ作者も初めて観る仏像が大部分でしたので是非とも訪れてみたかったのでした。

今回の出展で一番の注目されているのはおそらく「葛井寺の千手観音菩薩座像」ではないかと思います。ブログ作者もその千手観音像が観たかったので国立博物館へ足をはこんだのですが、実際に訪れてみると他にも優れた仏像を観ることができました。もちろん仏像以外にも、仏画、経典、書、仏具、絵巻物などもあり、珍しいものとしては仁和寺観音堂の内部を再現した展示は新鮮みがありませた。

この観音堂内部の再現では多くの人が写真撮影をしていました。ただフラッシュは禁止されています。ブログ作者はこの観音堂の壁画画像を大変興味深く観ています。確か江戸時代の壁画だと思っていますが見ごたえは充分あります。

今回の特別展でブログ作者が印象に残った仏像を幾つか書きます。

秘仏薬師如来座像
高さ12センチと小さな仏像です。人集りが多いのに小さいのでよく観られませんでした。

悉達太子座像
その容姿の美しさに見とれてしまいました。

龍華寺菩薩座像
関東にある唯一の天平仏です。何かと曰くがありそうな仏像です。平成10年に寺の宝蔵の改築で発見されたもので、破損したものを修復して現在の均整のとれた姿になったようです。仏像好きな人は一度は観ておきたいものです。

明通寺降三世明王立像
高さ2メートル半もある大きなものです。迫力ある姿には圧倒されました。ブログ作者は若狭明通寺は以前に訪れています。国宝の本堂と三重塔がありこの像は本堂内に安置されています。

中山寺馬頭観音像
鎌倉時代のものだそうです。立派です。いろいろな角度から観たり細部を細かく観ていると飽きません。

道明寺十一面観音菩薩立像
国宝です。高さ1メートルほどですが美術的にも優れたものです。左斜めから観るのも良し、後ろ姿も美しいです。滋賀県渡岸寺の十一面観音菩薩立像を思い出して比較してみるのも面白いです。

葛井寺千手観音菩薩座像
大阪藤井寺市にあるこの寺院の千手観音は大阪府に残る唯一の天平仏で乾漆像です。千本以上の手を持ち、お顔も美しいです。奈良唐招提寺の千手観音立像と共に最高傑作像だと思います。また東大寺法華堂の諸像に似ているとも指摘されているようです。日本の仏像では白鳳や天平期のものに優れたものが多いのですが、そんな遠い昔に何故このような像を作成できたのか不思議です。

「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」は3月11日までです。仏像に興味がある人は是非訪れてみてください。

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