春を忘るな

ここ過去3年間の冬は平年よりも寒いようでう。今年も3月になっても、まだまだ寒いです。
明日は3月11日であの東日本大震災から3年に成ります。あの時から日本人の価値観が変わったとも言われています。私自身は心と身体が寒くなった感があり、特に冬場の寒さが身に沁みます。このまま春が来ないでずっと寒いままなのではないかと、そんなふうに考えてしまいます。それでもようやく梅の花が咲いてるのを見ることが出来るようには成りました。
梅の花よ、春を忘れないでくれ、花を咲かせておくれ。何とも春の訪れを梅の花の開花に託したくなるものです。そのように、梅の開花を願わく春を詠(呼)んだ和歌があります。


東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな

これは菅原道真の有名な歌です。菅原道真といえは、学問の神様、天神様です。天神社(天満宮)といえば、梅の花を思い出します。これに似た歌がもう一つあります。


出でていなば 主なき宿と なりぬとも 軒端の梅よ 春を忘るな

こちらは源実朝、すなわち右大臣実朝の歌であると言われています。おや、そう言えば道真公も右大臣でした。二つの歌の共通性をみると、「主なし」、「梅の花」、「春を忘るな」、です。

さて、私が言いたいのは、どちらの歌がいいとか言うことではありません。この二つ以外にも似た歌はあるようですし、問題は早く春が来て欲しいと言うことなのです。他力本願的に梅の花に願いを託すのもよいのですが、いつまでも寒く沈みこんでいる自分の心を、暖かく春を呼ぶものに変えてゆきたい、自分自身、春を忘れないようにしたいと思うこの頃でした。

 

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